ひよこ、すずりにむかいて

呼吸は残らないけど文字は残る

昨日、退学した大学の先生と食事に行った②(忘れないために)

(前回の続き)

 

ちなみに、先生から返ってきたメールは、

「文章の上手な生徒さんだったと記憶しています。

(近況の)入院のこと、大変でしたね。ADHDとのことですが、

きっと文章の世界に居場所があるはずです。なんとしても見つけてください。

それは大人になっても難しい事ですが…。

 

そのテキストを使った番組は見ていませんが、題材になった事は知っていました。

200年語り継がれるという事は、やはり面白いからだと思います。

 

では当日、楽しみにしています」

と書いてあった。

 

メールで決めた待ち合わせ場所(私の住む、少し大きい駅の改札)に、

17;30の約束をした。

(20分前に着いて、内臓がひっくり返りそうなほど緊張した。)

 

先生がどういう気持ちで食事をしてくれるのか分からなかった。

(考えすぎるよくない癖だが)

 

先生の中で私の扱いは、過去・現在・未来のどれなのか、

学生(それも退学した)に食事を誘われる事はよくあるのか、

どんな話しをするかとか間が持つかとかも含めて、緊張した。

 

あと、事前に「食べたいものはありますか?」と聞かれて

テンパり過ぎて「好き嫌いはありません!」と返信してしまったり、

(奢り前提だと思うと価格帯が分からなかったし、

先生の好き嫌いも知らなかった)

先生から「早速のメール返信ありがとうございます」と来て、

(おそらく良い意味なのは分かっているが)

頭を抱えて「はやすぎたぁぁぁ!しくったぁぁ!!!」と

初デート前の男子中学生のような心境にもなった。

(イメージ的には野球部のボウズ)

 

約束の数分前に着く電車で、先生は改札に現われた。

 

(続く)

昨日、退学した大学の先生と食事に行った①(忘れないために)

きっかけは、在学時に唯一まじめに受けた授業の関連教材が

本屋に並んでいるのを見て、暇だったから購入した事だった。

 

(ちなみに言うと、2017年七月の100分de名著「高慢と偏見」のテキストである)

 

授業を受けたときから、なんとなくこの作品が好きだと感じていた。

三年後の今この教材を読んでみて、やっぱり自分に合う、と確信した。

 

教材を半分くらい読み終わったところで、

大学の事をたくさん思い出した。

 

授業は週に数回しか出ないし、寝てばかりだし、

留年するし、図書館の本は延滞するし、最悪の生徒だった。

 

大学はとても好きだった。

 

ひとつめの高校を中退してしまったので、

また通うという行為が出来る事を嬉しく思っていたし、

ようやく理数科目から開放されて、

授業は好きな内容ばかりだった。

 

けど、どうしても、(ADHDやその二次障害の影響で)

朝起きる・電車に乗る・授業中じっと座る・眠気に負けない・

周りのざわめきに影響を受けない・悪口が聞こえても動揺しない・

期限を守る・授業を自分で組み立てる・時間割や友人を覚える

など、なかなかクリアできないのと、その上で自信を保つのが難しかった。

 

そんなこんなで三年通って二年生で辞めてしまった。

 

一年生の前期で、大学生活の基本を学ぶ基礎ゼミというものがあり、

一番好きな授業の先生が、私の基礎ゼミの担当だった。

西原(仮名)先生だ。

 

例の教材を半分くらい読んだところで、

先生に会いたい!と思った。

 

イギリスの小説を担当している、年は私より3まわりくらい上なのだが、

やさしいけど活き活きしていて、

イメージで言うと滝を登る鯉のような先生だ。

 

実際どうなのかは知らないが、漫画に出てくるお嬢様っぽいなあとも思う。

お嬢様と言うと世間知らず、という単語も時たまついてくるが、

自分の人生を自分で切り開いてきたのを感じるところが、

一年生の四月からもうとても好きだった。

 

メールを送ろう、とファミレスで思いついて、

家に帰るまで悩んだ。

 

三年前の一生徒、しかもゼミではなく基礎ゼミのほうだし、

授業サボってたし……そもそも覚えてもらっているかどうか。

迷惑じゃないかとか、メアドが仕事用じゃないのかとか、

メールの文章どうしようとか、うんうん唸って、

数時間後にメールは完成した。

 

「西原先生、数年前お世話になった日下と申します。」

から始まり、

最近の身の上をちょこっと、

教材を読んだ事、

先生の授業が好きだった事、

(ゼミに入りたかった事、)

 

最後は何回も書いては消して、やっぱり書いた。

 

「いつかまた、(お茶でもして)お会いしたいです」

 

 

返信は来ないものと思っていたが、

(どころか、「覚えてない、迷惑だ」と思われるくらいの気持ちでいた←失礼)

一日か二日後に、「食事でもしませんか」と返信が来た。

(続く)

確かに出会った、という確信

手もつないでいないのに、目も合っていないのに

確かに「繋がった!」という

固体のような瞬間がたまに、ある

 

半年に一回……くらい

 

私は自分に物凄く自信がなくて、

友達から食事を誘われたにもかかわらず

「本当はボランティアで遊んでくれてるんじゃ……」とか

考えてしまう、気が弱いんだか傲慢なんだかよくわからない気質だ

 

いつだったかなにをしているときだったか、

彼氏と一緒にいるとき、

思考がかっちりと重なった瞬間があった……と思う

 

言い換えればおそらく恋心とか愛情とかなんだけど、

それをもっと煮詰めたような、

プラスでもマイナスでもない、

電流のかたまり……を感じたことが、ある

 

出会えた!と、思った

 

ナナとカオル(漫画)でそういったシーンがたびたび出てきて、

おそらく他の人も感じている感覚なんだと思う)

 

あの瞬間をまた、心待ちにしている

 

 

 

 

 

なかなかにロック

ジェットコースターみたいな年だ。

 

20年間住んだ家に帰ることを体が拒否するようになって、

気がついたら入院してて退院してて

新しい家が決まってて名義が私で

彼氏が正社員になった

 

最後の以外全部自分が進めた事らしい

記憶が、ない

 

そもそも外泊もろくにしたことないのに

いきなり男と家を出てしまった。

(父公認だけど)

 

ちょっぴりロックかもしれない

 

大人しい子ほど切れると何をするか分からない?

窮鼠猫をかむ?

 

猫は母と言うか現実って感じだった

 

うらんでるわけではない

 

そもそも母の実家は両親が死ぬほど忙しくて、

父は家庭を持っても消費者にしかなれない人で

そのうえ産まれてきた子どもが育てづらい子で

確実にキャパオーバーだったと思う

 

と、かばいたい気持ちと、

 

私が何か大切だと知ると(高校の制服とかランドセルとか)

「捨てて良い?いらないよね?ね?」

とか、

「あんたのものはこの家に一つもないのよ」

とか、

家の外の人と関わると嫌な顔されたりとか

 

娘から搾取することに悦びを覚えるようになったシステムは分からない

 

んー、どうしてなんだろう

不可解

 

父が「お母さんに苦しめられたんだよね?

かわいそうに、お金をあげるよ

(だから俺は良い親だろう?)」

ってスタンスはほんと反吐が出る

 

お母さんを悪者にしてるみたいですけど、

そこまで追い詰めたのあなたですよね・・・?

おわすれですか……?

 

弟の事、私のこと、ペットの猫の事、

どう思ってますか、って

メールしたら返信こなくて、二週間後に

「お金要りますか?」ってメール来たよ

要るとは言ってないけど振り込まれてたから使っちゃった

んーこのへん今後どうしよ

よくないよねぇ

 

そろそろ晩御飯作らなきゃ

なににしようかな

ふたりでいるのにひとりぼっち

ずっと悩んできた症状だ。

 

相手がそれはもうめちゃめちゃ好きでいてくれていて、

何でも言って、過去の事でも八つ当たりでもいい、と

言ってくれているのに、

何故だか四年間とっても孤独だった。

 

一人で悲しい事をエンドレスで考えているとき、

私はなぜか満たされていた。

 

一人で居るとき、私は直径163cmの白い丸だった。

二人で居ると、円と円がちょっぴり重なって、

殻つきのピーナッツみたいな形になった。

 

完全からは少し遠のいた。

 

完璧でなくては、とずっと思っていた。

理想の娘にならなくては、とも思っていた。

 

けど、なれなかった。

 

二十年を過ぎた頃から、母は私に何の感情もなくなったようだった。

 

ずっと理想の娘になりたかったのに、ほめてもらいたかったのに、

ついになれなくて、最後に言われた言葉は

「そんなにお母さんの事嫌いなの」

だった。

(詳細には、「お母さんの事嫌いなんでしょ?倒れても呼ばないで」だった)

 

母から好かれなかったのは私が悪かったんだ、

わたしはなにも頑張ってこなかったんだ、と

ずっと考えていた。

 

彼氏は相変わらず、

何でも言って、八つ当たりでも良いよ、と

隣でにこにこしてくれている。

 

それどころか、生きているだけで嬉しいと言ってくれる。

 

生きていていいんだなあ。

 

生きてるだけで丸儲け、って、良い言葉だなぁと思う。

 

少しずつ、私のための人生を歩みたい。

 

生きています。

書け、書け、書け

昔から、なにか残る遊びが好きだった。

編み物とか、塗り絵とか、写真を撮るのとか。

 

小学生高学年くらいから、テレビゲームが怖くなった。

時間がただ過ぎていくのが、ソフトをなくすのが、怖かった。

 

文章を書くのは素敵だ。

一秒単位で人生が残る。

 

私は物凄く忘れっぽくて、

自分のことをよく忘れてしまう。

(自分の顔をよく覚えていなくて、鏡を見るたびに新鮮な気持ちになる)

 

今、手帳のおりないADHDやらで

就職するのが難しくて、

結構悩んでいる。

 

同居している彼氏に、

高校生のときの部誌を読まれたのだけど、

「これ面白いよ」

と言って貰えた。

 

自分の書いた文章を肯定してもらうのは、

人生で5回目くらいだった。

 

書きたい。

 

書く道しか残っていない気がする。

 

書け、書け、書け。

 

 

深淵に立つ

メモ帳を開いて、小説を書き出そうとしている。

 

さっきミュージックアプリで、

マイケルジャクソンを初めてちゃんと聴いた。

 

どっちも、元から好きだと予感していたものだ。

今、すこしずつ好きになり始めている。

 

この二つがこれから人生を支配する可能性も無きにしも非ず。

 

ほぼ初対面だけど、どちらかに一生かけても良いと思っている。

 

ここは深淵のすみっこなのか、それとももう真ん中に居るのかもしれない。

それなら、深淵って抜けやすいものなんじゃないかな。意外と。

 

いまざっと調べたら、深淵って、

ただの場所じゃなくて水の深いところも表すんだって。

なるほど、居心地が良いわけだ。

 

良い感じに助走がついたので、メモ帳の白い海と対峙してきます。

何も居ないから恐怖を感じる白い海。

見えないものがいる、というか、すべてがそのもの。

 

ではでは。